電子書籍のつくりかた

[1]そもそも電子書籍って?

「電子書籍のつくりかた」を説明するにあたり、まずはじめに確認しておかなきゃいけないのは、「電子書籍とはなんぞや?」という点です。

単純に考えると電子書籍とは、いままでの「紙とインク」による書籍ではなくて、電子的手法による書籍のこと、になります。ということは、テレビショッピングでお馴染みの電子辞書も「電子書籍」ということになってしまいます。

そこまで話を広げるとややこしくなるので、小説とか実用書とかマンガとか、そういった類のものを、スマートフォンやタブレットなどで読むというのを対象とさせていただきます。

で、いま主に流通している電子書籍には、次の3タイプがあります。

●ファイル型(PDFなど)

●アプリ型(AppStore、Google Playなど)

●ストア型(Kindle、iBooksなど)

ファイルというのは、1冊の本=1つのファイルになっているもので、購入後ダウンロードして読む形になります。利用されるのは、主にPDFです。著作権の切れた作品をボランティアが入力して公開している「青空文庫」も、このタイプ。専用のビュアー(ブラウザ)が数多く出回っているので、ストア型に近い利用をされていますけど。

一番多く利用されているのが、ふたつ目の「アプリ型」でしょう。1冊の本=1つのアプリとなっているものです。確かに、1冊の本=1つのアプリというわかりやすさは魅力なのですが、「つくる」という視点からみると、これがなかなか大変なのです。

電子書籍のアプリというのは、いわば「文字を表示してるだけ」ですから、アプリの難易度としては低めです。しかし、アプリをつくる=プログラミングするというのは、慣れた人でないと難しいでしょう。

すでにあるビュアーを利用するという方法もありますが、これは利用するのにン十万円かかったりします。「アプリ型電子書籍をつくるためのアプリ」なんてのもありますが、もちろんタダではありません。代表的なモリサワのMCBookは、年間5万円+5%のロイヤリティです。

最近では、「無料でアプリ型電子書籍」をつくってくれる業者もあるみたいですけれども。

アプリ型の魅力は、「見せ方(インターフェイスなど)」を自由にコントロールできるところにあります。「ある場面を開いたらBGMが流れる」なんて演出もできます。

とはいえ、敷居の高さから言えば、「誰でも手軽に」とは言えないのが現状。そこで最近注目されているのが、「ストア型電子書籍」なのです。

2013/06/19   admin
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