電子書籍のつくりかた

[17]全体の「構造」を考えよう

電子書籍をつくるときに、まずはじめに考えなければいけないのは「構造」です。
構造というのは、EPUBファイルの中に、どんなファイルを入れるか、ということです。
EPUBの本文はHTMLファイルという話はしましたが、なにも考えずに1つのHTMLファイルに本文を詰め込むのは、あまりスマートではありません。EPUB作成サイトだったら、突然「容量をオーバーしました」なんて表示されて、すべて消えてしまうかもしれません(あくまでも可能性の話ですが)。
表紙(EPUB2ならJPEG、EPUB3ならXHTML)と本文のHTMLファイルの2つだけで構成できればわかりやすいのですが、ちゃんとした書籍にしようと思うと、それだけで収まらなくなってしまうのです。

 

ところで。書籍の構成について、改めて確認しておきましょう。ほとんどの書籍は、次のような構成になっています。

 

(1) 表紙
(2) 中表紙
(3) まえがき
(4) 目次
(5) 本文(1章、2章、3章…)
(6) あとがき
(7) 索引
(8) 奥付

 

表紙の次に「謝辞」が入ったり、奥付の前後に広告が入ったりするものもありますが、ややこしくなるので、ここでは割愛します。
これらのウチ、表紙は別ファイルになるのがルールなので、それ以外のものをどうするかという問題になります。ただし、本文はともかく、ほかのパーツについては、入れる・入れないというのは、制作者の自由でもあるのですけど……。
結論からいうと、すべてのパーツは、それぞれ独立したHTMLファイルにした方がいいでしょう。その方が、なにかと作業がしやすいからです。
別のHTMLファイルにしたからといって、別の電子書籍になるわけではありません。最終的に、1冊の電子書籍の中に収納されます。
ただし、次のHTMLファイルに移動するときは、強制的に「改ページ」扱いになります。そのHTMLファイルの最後まできたら、画面上の最後の行から下(縦書きの場合は左)部分は、空白になります。で、フリックなどでページをめくると、次のHTMLファイルが表示される、というわけです。
ちなみに、本文も章ごとにひとつのHTMLファイルにした方がいいでしょう。ただ、どこまでファイルをわけた方がいいのかは、ケースバイケースです。
長編小説なら章ごとでしょうし、短編小説集なら1話ごとでしょう。エッセイやプログなど、細切れのものは悩むところです。ひとつひとつを独立したHTMLファイルにするとファイル数が増えすぎて、逆に扱いづらくなってしまいますし、全体をひとつのHTMLファイルにしても、トラブルの種になったりしますし。個人的には、ファイルが100くらいで収まりそうならそれぞれ独立したHTMLファイルでもいい気がしますし、それ以上なら適当にブロック分けをして、ブロックごとにHTMLファイルにした方がいいんじゃないかと思います。

2013/07/05   admin
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