電子書籍のつくりかた

[15]EPUB3でつくるときの注意

EPUB3でつくるときも、EPUB2同様、目次がネックになることがあります。ただ、問題になるのは、AmazonのKindleだけのようなのですが。
Kindleは、EPUB2をベースにしたファイル形式を採用しています。ということは、目次ファイルに「toc.ncx」を使うわけです。
ところが、EPUB3では、目次ファイルがtoc.ncxからtoc.xhtmlに変更になりました。つまり、フツーにEPUB3形式で電子書籍をつくると、toc.ncxが作成されません。
実は、その状態でKindleに登録すると……できないことはないようです。
Kindlegen(EPUBをKindle用のファイルに変換するツール)が2.8へバージョンアップしたときに、toc.ncxがなくてもOKになりました。
とはいえ、「じゃあ、なくてもいいや」とはならないのが、難しいところ。ソフトウェアは、どこにバグがひそんでいるかわかりません。ひょっとしたら、いまでもどこかにtoc.ncxを参照するようになっている部分があるかもしれないのです。
というわけで、いまでも自衛策としてtoc.ncxを用意している人が多いようです。

 

EPUB3になって、HTML5とCSS3が採用になり、表現の幅が広くなりました。が、それらを全部使えるわけではありません。
EPUB3は、表記法としてHTML5とCSS3を「借りている」だけで、まったく同じことができるわけではないのです。さらにいうと、EPUB3で「使える」と規定されているものでも、その機能をビュアー側が用意していなければ、使えません。
この「宝の持ち腐れ」状態は、もうしばらく続きそうです。

2013/07/04   admin
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