電子書籍のつくりかた

[14]EPUB2でつくるときの注意

EPUB2形式でEPUBファイルをつくるとき(実質、sigilを使う時)は、まず目次に注意しなければなれません。
EPUB2で使う目次ファイルは、「toc.ncx」です。
もともとこのファイルは、メニューから目次を呼び出したときに、ジャンプ先を表示するためのファイルです(おそらく)。
以下、予想ですが。
紙の書籍では、表紙のあと・本文の前に目次が入っています(たいていの場合)。しかし、EPUB2が策定されたころの想定としては、「目次は、本文と一連に配置せず、メニューからだけ呼び出せればいい」というものだったんじゃないでしょうか。
確かに、電子書籍の特性を考えるならば、表紙をめくってその次に目次が入らない方が、スマートです。
しかし、読む方としては、本文を読み始める前に、目次で全体像を把握しておきたい、という気持ちもあるわけで……。
それはともかく、そうした「電子書籍ならではの使い方」をイメージしていたために、目次を「ページの一部」ではなく、「必要に応じて呼び出すファイル」として既定していたと考えられます。
そんなわけで、sigilでフツーに電子書籍をつくると、ページとしての(本文とひと続きになった)目次は、作成されません。
では、どうするか。
sigilでは、そのために「HTMLの目次を作成」というメニューが用意されています。[ツール]メニュー→[目次]→[HTMLの目次を作成]です。
そのメニューを実行すると、目次(toc.ncx)を元に、「TOC.xhtml」というファイルが作成されます。これは、本文のHTMLファイルと同じ扱いなので、中身を編集したり、好きなところに配置したりできます。
こうすれば、EPUB2形式でも「表紙→目次→本文」といった流れにすることができます。

 

もうひとつの問題が、「日本語表記」です。
何度も書いてる気がしますが、ルール上はEPUB3になって日本語の縦書きや左開きに対応したことになっています。それをそのまま受け取ると、EPUB2では日本語を縦書きで表示できないことになります。
しかしEPUB2でも、いくつかコードを追加するだけで、きちんと縦書き・左開きの電子書籍をつくることができます。CSSとの組み合わせで「縦中横」も可能です。具体的な方法については、のちほどじっくりと。
ただし、ルビや圏点などには、対応していないようです。
ここでいう「対応していない」というのは、「EpubCheckで、エラーになるかならないか」で判断しています。ひょっとしたら、 EpubCheckではエラーになるものの、端末上では表示できてしまうかもしれません。おそらくできてしまうかもしれませんが、それは自己責任でお願いします。

 

2013/07/04   admin
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